神社を中心に秩父を巡ってきた記事が続いていますが、実は寺院も回っています。
いつの日か、行きたいと思っている秩父札所めぐりのお寺についてです。
下見を兼ねて神社めぐりの旅の最中に立ち寄れそうなところに寄ってみました。
まず行ってみたのが13番の慈眼寺です。
札所のことでしょうが石碑に面白い書き方をしていますね。13番札所というのではなく、秩父十三番「補陀所」と書かれています。
調べてみたら、観音様とも関係ある書き方なのですね。
補陀落は、観音菩薩の降臨する霊場なのだそうです。
そのほかにも、教化史跡として聖人横町(以前、秩父の聖人と呼ばれていた人がいたとか)と書かれているのが秩父札所十三番の慈眼寺です。
西武秩父駅からも比較的近いので、ここを秩父札所めぐりのスタート地点にしている人もいるのだとか。
目次
秩父でキャッシュレス化のお寺
残念ながら扉はしまっていました。軒下の彫刻がみごとです。
南無観世音菩薩と書いてある提灯には、「旗下山」となっていました。
大慈閣の額が、観音菩薩とマッチです。
こちらの慈眼寺ですが、私が行った日の前日にBSテレビで放映されていて、こちらのお寺のおかみさんが出ていた説明していたのだそうです。宇梶剛士さんの番組です。
テレビの力は侮れませんから、おそらくこれからテレビを見ました!という人が参拝に来るかもしれませんね。
慈眼寺は、700年以上の歴史あるお寺さんだそうです。
お寺の本堂の彫刻を見ていると納得です。
調べてみたら、西武線の西武秩父駅からも徒歩で行ける範囲なので、慈眼寺は秩父札所めぐりのお参り用品、巡礼用品なども扱っている売店でもあることがわかりました。
専用の御朱印帳(納経帳)、掛け軸、経本、菅笠、金剛杖や笈摺などですね。私もここで秩父札所めぐりの簡略化した地図やリーフレットをいただきました。
道理で私が行ったとき、寺務所にて御朱印をいただいたときに、ペイペイが使えると書いてあったのです。
神社ではペイペイが使えるところは知っていましたが、お寺さんでは初めてみました。
納経所ではあめ薬師の御守のほかに、眼茶、薬師あめなども売っています。
メグスリノキもある慈眼寺はめのお寺で眼茶やアメも
こちらの木がメグスリノキです。
夏の時はどれくらいの葉が茂っているのでしょう。お正月、の冬の時期なので残念ながら葉っぱがまったく無いです。でも、幹はしっかりしていますね。
この木を煎じた汁で目を洗うと眼病に良いとされ、それでメグスリノキと呼ばれてきた昔からの伝統療法なのですね。薬木です。眼の健康のためだけではなく、飲んでいたとか。
メグスリノキは、前から聞いたことがあります。今回、実物を初めて見ました。千里眼の木は聞いたことがありますが、長者の木というのは、初めて知りました。
御朱印をいただいているときに少しメグスリノキのお茶、「眼茶」を試飲させていただきました。
ノンカフェインで、飲みやすかったです。
少しメグスリノキを調べてみたら、肝臓の機能を良くすることで眼にもいいということなのですが、これが昔の人は感覚的に知っていたのでしょうね。
そういえば、漢方薬でも肝臓と眼は密接な関係があるということを読んだことがあります。肝は目に現れるとか。肝臓の機能低下は目に現れるとか、おそらく東洋医学のお医者さんなら詳しく知っていることなのでしょう。
札所めぐりを結願したら、このような掛け軸になる
先ほども書いたように、こちらの慈眼寺からスタートする人もいるために、秩父札所めぐりの用品もいくつか売っているようでした。
それと学びがあったのが、札所めぐりする人の中には、御朱印帳(納経帳)ではなく、掛け軸というのを聞いたことがあったのですが、それを持ち運びしている人をみたことがなかったので、イメージがつかなかったのですが、ここにある掛け軸をみて、結願するとこうなるのかぁと思いました。
表装する必要がありますが、御朱印がみごとです。
これはこれで記念になるなぁと思った次第です。
お寺めぐりは、本来は写経したものを納めるのですよね。
奉納写経の容れ物もありました。
写経はこちらに納めてくださいと書いてあります。
掛け軸の前には、大黒天、恵比寿さま、布袋尊の姿も見えます。
まるで七福神の集まりのようになっていました。
経蔵のあるお寺
山門から入ってすぐのところには、「経蔵」、お経の書庫がありました。
靴を脱いで中に入ることができました。
鎌倉の長谷寺で見たことがある、六角形の書庫になっていて、まわすとお経を読んだことになるタイプのようでした。輪蔵ですね。この回転式書庫ですが、動くのかどうかはわかりませんでした。
トイレの守護神、烏枢沙摩明王(うすさまみょうおう)
詳しくは書きませんが、トイレの前には、烏枢沙摩明王の像がありました。
昨年にできたようです。
その後ろには稲荷、荼枳尼天でしょうか。
裏手に薬師堂「め」の絵馬や願いを書く石も
薬師堂の前には、このような大きな柱がありました。
「大圓鏡智勤奉修あめ薬師御縁日祈願会所集功徳為世界平和所願成就者也」
と書いてあるように見えたのですが、どうでしょうか。
あめ薬師では、あめも売っていますが、7月のお祭りでも飴が売られているそうです。
ここの薬師如来は、めの守り神ですね。
8日という薬師如来の御縁日、特にお正月の8日には初薬師があったそうです。
新井薬師や川越の成田山でも見たような「め」の絵馬もみました。
面白いなと思ったのが、薬師堂の前に白い石が置いてあって、それに願い事が書けるようになっていたこと。
他人が書いたものなので、ジロジロ見るわけにもいきませんが、病気平癒に関することなのかなと思いました。
今宮坊へ秩父札所14番
この前、秩父の今宮神社について書きました。
今宮神社のブログ記事はこちら
神仏習合の色合いが残っている神社のことです。
その神仏分離で、お寺としてあるのが今宮坊です。
こちらも歴史あるお寺なので、当然のことながら、秩父札所めぐりの14番になっています。
修験道の道場だった場所です。
江戸時代、今宮坊が別当として、観音堂と八大権現(今の秩父今宮神社)を管理していたのを神仏分離で神社が分離したというわけです。
私は、表の参道ではなく、今宮神社の方から来たので、この欅の大木が目印になるなと見ながら行ってみました。
今宮神社は、駒つなぎの欅でしたがあれほど太さはないようです。
観音堂から参拝し、今宮神社よりこじんまりとした境内
輪廻塔というのでしょうか。後生車というのでしょうか。丸い輪をくるくる回すものが建っていました。
比較的新しいので、作り変えしたのかもしれません。
こういうのを見ると、円盤をくるくるしたくなってしまうのですよね。
五色の布もきれいです。
この観音堂に向かって右に寺務所があって、そこで御朱印をいただきました。
飛天像が必見
昭和33年に秩父市の指定有形民俗文化財に指定された飛天像も見えました。
高さが約30センチの像と書いてありましたから比較的小さめの像です。
木彫に金箔というきれいな像です。秩父観音霊場科学調査班の総合調査で、藤原時代後期の作であるとわかったそうです。
これは仏像好きの人は、ぜひみるべき仏像ですよ。
観音堂に行ってみてください。
もちろん、真ん中には観音像もありました。左には不動明王像も。
お寺の観音堂裏手には、このような絵が奉納されていました。
「武田信玄は、配下の失敗をこの寺の霊験にて許した」と書いてあります。
何の失敗したのでしょうね。
武田信玄が秩父に攻め入ったときの話でしょうが、とにかく、失敗を許されてほっとしているところのようです。
午年生まれの人の守り本尊の勢至菩薩
観音堂の脇には、勢至堂がありました。
勢至堂には、柱に真言が書いてありました。「おんさんざんざんさくそわか」
勢至菩薩は、午歳生まれの人の守り本尊ですから、午年生まれ人は、念入りに参拝してみてください。
秩父は、午年の総開帳が有名ですし、きっと午年生まれの人も行くのではと思うのですよね。
今回の下見は、以上の2寺だけでしたが、札所間は歩きで行ってみたいのですよね。
どうなるかな。数回にわけていいのよと、御朱印をいただくときにも言われたことだし、やってみましょうかね。