以前にクラブツーリズムの女性限定のバスツアーの話を書きました。

クラブツーリズム(神社仏閣コース)のボヌール号女性限定バスに乗ってみた!御朱印の旅で前橋厄除大師へ

 

バスツアーというと、トイレの心配でバス旅行を諦めている人もいるとかで、女性だけで気兼ねなく(トイレの心配もなく)バス旅行できることで企画開発されたバスに乗ってきたということを書きました。

 

女性だけなので気兼ねなくトイレを使えるようにしてあるツアーがある、それも御朱印の旅で、ということで行ってきたのです。

 

その後、そのツアーの続きを書いていなかったことを思い出しました。稲荷神社の記事を何回か続けて書いているうちに思い出したのです。

 

そこで今回はクラブツーリズムのバスツアーの話の続きを書きたいと思います。

前回はお寺でしたが、今回は神社です。それも女性に人気の神社です。縁むすび、安産祈願もできるという稲荷神社でした。

上の写真は、大鳥居の写真です。群馬県内でも有数の大きさの鳥居なのだそうです。

冠稲荷神社は、入り口がいくつかありまして、その場所に鳥居があるのですが、この大鳥居は甲大鳥居と呼ばれています。「甲乙丙丁」のきのえですね。

私がクラブツーリズムのツアーで行ったのが2月でしたので、この大鳥居からの参道の桜はまだまだの時期でした。

2月の時期ですが、桜の枝がかなり見えましたから、これは桜の開花時期はこの鳥居の回りは、桜でいっぱいになるのだなと思いました。フォトジェニックな場所になりそうです。



猿田彦社(猿田毘古社)が手前にあって

大鳥居のそばには、猿田彦社がありました。冠稲荷神社では、猿田彦のことを猿田毘古と書くようでした。

導きの神様ですね。冠稲荷神社では、交通安全の神様になっているそうです。

9月には、ここで交通安全祈願祭を行うそうですから。

その猿田彦社の隣に小さな鳥居がありますが、こちらは、ペット用の神社でした。

ペットの犬や猫用なのでしょうか。ペットを連れて参拝できるのかは不明です。


冠稲荷神社には縁むすびの桜もあり

おそらく桜並木になっているのでしょう。参道を歩きました。

参道を通り抜けると見えてきたのが、七福神殿です。

その隣には、古札を納める古神札納殿がありました。

そのまた右隣には、神楽殿もあります。

冠稲荷神社は多くの境内社があります。

冠稲荷神社のある場所は、古墳もあるくらいの場所です。1500年の永きに渡って祭礼が執り行われてきた宮の森にあります。

 

そのため境内社も多いですね。お願い事別に神社があるくらいの規模ですよ。


南参道のところには、人形代社という場所がありまして、「ひとかたしろ」、大祓で見かける「人形代」を入れる場所までありました。

人の形になっている紙を体につけて汚れをそこに移すというものです。

ここでは、火鉢があって、そこに汚れた人形代を入れるようでした。

「ひとかたしろ」とひらがなで書いてあるのは、一瞬見ると、「人形」と見えてしまって、人形を納める場所と間違えやすいからかなと思いました。

神社に古くなった人形を納める場所を作っている神社もありますよね。

ここはあくまでも「ひとかたしろ」です。

夏越の大祓や年末に行う年越しの大祓の時だけでなく、いつでもできるのがいいですよね。

冠稲荷神社の特徴は、人形代は、人間の形だけでなく、猫や犬の形もありまして、ペット用の犬かたしろ、猫かたしろがある、とのことでした。


境内社が多い冠稲荷神社


さて、神楽殿のところには、八坂社と諏訪社がありました。

八坂神社と諏訪神社ということですね。

八坂社はスサノオノミコトとクシナダヒメがお祀りされています。

牛頭天王を習合して、今は厄除の神様として有名になりました。

八坂社ですから、祇園祭も行うそうです。

諏訪社は、勝負の神様、戦の神様です。防災、必勝祈願として信仰されています。

 



神楽殿からぐるりと角度を変えますと、拝殿が見えてきます。まずは、本殿にお参りです。

こちらの石畳は、南からの参道になっていました。

南から来るとまっすぐ先に本殿があります。

そのすぐ脇に手水舎がありました。

ここにも鳥居がありました。こちらは、石造りの鳥居かな。

お正月が過ぎたばかりの頃だったので、鳥居にはまだ松が残っていますね。

南参道途中に義経公の神水あり

面白いことに南参道をまっすぐ歩いていくと、拝殿に着くまでの途中に源義経公ゆかりの神水という場所がありました。

拝殿前のご神水と源を同じくしているそうです。

厄除けの聖水とのこと。

由緒ある水なのでしょう。

 


そして、こちらが「拝殿前の神水」と書かれていた神水です。

ちょこんと、小さなお社になっているのですが、ここからも水が湧き出ていたのです。

拝殿の真ん前です。お社があって、なにやらそこには、小さめの水を入れる容器が置いてありました(これについては実咲社というところで書きますので、また後ほど)。

私はいろいろな神社を参拝してきましたが、拝殿の真ん前に神水が湧き出ている神社は初めてでした。

 

冠稲荷神社の拝殿の彫刻は見事です


拝殿の左横には、小さな鳥居と鈴が置いてあります。

「かいうんすず ならしてね」と書いてありました。




冠稲荷神社の扁額です。
横から読む大きめの扁額と縦に読む扁額がありました。

「稲荷大明神」です。

横に読むのは、「正一位稲荷五社大明神」と書いてありますね。

京都の伏見稲荷大社のご分霊である冠稲荷神社です。

伏見、豊川、王子、妻恋などの七社、日本七社のひとつが、この冠稲荷神社だそうです。

源義経公が奥州に来たとき、冠稲荷神社が源氏ゆかりの神社であることを知り、冠の中に勧請してきた京都伏見稲荷の御分霊をお祀りしたそうです。

時代は過ぎ、新田義貞公も兜の中に神霊が来るように戦勝を祈願したとのことで、「冠」という名前になっているようです。

拝殿のところには、なぜか、鹿の剥製もかかっていました。

拝殿前には生け花もありまして、きれいになっている神社です。

冠稲荷神社の本殿にお祀りされている神様は多いので驚きました。

 

冠稲荷神社の御朱印には丸文字の字体もあり

拝殿の全体像は、こちらの写真でわかりやすいかと思います。

今、気がついたのですが、拝殿前の狛犬ならぬお狐様は、けっこう古くからあるようなお狐様ですね。

拝殿で参拝してから御朱印もいただきました。

ツアーでしたので、御朱印は1体、添乗員さんがみなさんの分をいただいていた(立春大吉の特別御朱印)のですが、さらにほしい人は並んで御朱印をいただいていました。

冠稲荷神社は通年のものとは、別にその時々で特別御朱印があります。

安産祈願に訪れる人が多いためか、戌の日には、安産きつね印が押印されるそうです。

木瓜の花を形にした紙の「縁むすび御朱印」もあるそうですが、私たちが行った時には、今日の分の頒布は終わっていました(縁むすび御朱印は、書き置きのみ)。

冠稲荷神社の御朱印は、イラストもかわいいのですが、丸文字バージョンもありまして、それがまた、女性に人気があるようでした。

特別御朱印とは別に、今月の神様の印というものがありまして、その月、その月で神様が変わります。

日付は入らないそうですし、書き置きのみという御朱印でした。

 

私はせっかくですので、木瓜の花が描かれた御朱印帳を買いました。

 

夫婦和合の祈願は聖天宮へ

 


拝殿のところで参拝を済ませて、まわりを見ますと、拝殿に向かって右手に「聖天宮」というところがありました。

階段を登っていきますので、ひとつ小高い丘のところにあります。

お寺の聖天様の神社バージョンといったところでしょうか。

こちらの聖天宮は、市の重要文化財にも指定されているそうです。

ここには、イザナギノミコトと、イザナミノミコトの夫婦神がお祀りされていて、夫婦和合のご利益があります。

安政4年に再建されたという建築。

私はじっくり見なかったのですが、天井には金龍の彫刻があるそうです。

 


拝殿に向かって左側には、社務所があってそこで、御朱印をいただくようになっていました。

その社務所の近くに、彦九郎の松という松がありました。彦九郎とは、寛政の三傑の一人である高山彦九郎のことです。

高山彦九郎が愛した松がここ冠稲荷神社に移植されたのです。

枝ぶりが美しいことから、鳳凰の松とも呼ばれています。

 

実咲社のお参りには作法あり蓋を閉めないこと

彦九郎の松と聖天宮の間くらいの場所に、実咲社というところがあります。

けっこう派手な色にみえる鳥居ですので、すぐにわかります。鳥居のところには、しめ縄に大きめの鈴があります。紐を揺らせば、鈴がなるのです。

実咲社は、縁むすび、子宝、子育てのご利益があります。

女性に人気のスポットでしょう。

まわりには絵馬がずらりと並んでいました。

「安産祈願絵馬」という文字も見えるかと思います。

 

先程の「安産祈願の絵馬」だけでなく、「子宝祈願の絵馬」、「縁結び祈願絵馬」もみえますね。

実咲関連絵馬に願い事を書き、その祈願を伝えてくれる、お狐さんをお参りします。絵馬はその狐さんのお社に掛けて参拝しますというやり方です。

また、木瓜の木の前のご神水を専用容器に汲み、蓋はしないで、そのままの状態でお狐さんの朱塗りの台座に奉納します。

容器の蓋ですが、「赤い蓋はお守り代わりにお持ち帰りください」と書いてありました。

なんだか蓋を閉めないというのが肝心なようです。

この容器は、先程も書いたのですが、拝殿の真ん前にある小さなお社の神水が湧き出ているところにある容器のことを言っています。

先に拝殿のところへ行ったので、お社の中に容器が並んでいたのが何に使うのかわかりませんでしたが、この実咲社のお参りの説明を読んでやったとわかりました。

なるほど、こういうお参りの作法があるのね、ということです。

実咲社の絵馬がかかっている後ろに見えるのが、御朱印帳が売られていた場所です。お守りや御札もありました。

社務所で御朱印をいただいたのですが、御朱印帳は、こちらの建物の中で買いました。

本殿の裏側の参拝順路に従って

 

拝殿の裏側に本殿があるのですが、見学するのは、参拝順路に従います。

本殿の裏手には、西拝観台と東拝観台があります。

その拝観台は、いうなればお立ち台ですね。

そこからだと本殿がの彫刻がよく見える、という場所です。



虎渓三笙のような西壁面彫刻が見えます。龍だとか、おしどりだとか、山羊、松に山鳥、狐、獅子のように説明書きがあります。

それを見ながら、ふむふむと。

なんとなく、妻沼聖天山の彫刻を見ているような気分になりました。妻沼聖天山に行ったことがある人ならわかるかな。



本物の彫刻と写真とを見比べます。

こちらは、北壁面彫刻です。「琴棋書画」の図です。

琴、囲碁、書、画の四芸のこと。文人、士大夫がたしなむべきとされた芸だそうです。

音楽、書道、図画、そして囲碁ですか。頭を使ってなおかつ芸の道もできてこそ、です。

竹林の七賢人が楽しんでいるところです。

そのまわりには昇り龍だとか、下り龍だとか。水仙、牡丹、睡蓮、山羊などの彫刻もあります。



それにしても、山羊がアクロバット的な姿に見えるのですが。

こういう場所には、龍や獅子は、よく見かけます。

色も塗り直ししているのか、鮮やかです。

 



先程の彫刻の「商山四皓」の図です。説明書きがあるとわかりやすいです。

商山は、中国の陝西省の山の名前です。陝西省は西安があるところです。

「皓」とは、あごひげと眉が白い老人の意味です。その老人が四人いるということです。

白い歯のことを皓歯といいますよね。

中国の秦の時代末期に乱世を避けて、商山に隠遁生活をした四人の老人のことです。

東園公、夏黄公、甪里先生、綺里季という四人です。

まわりには、梅に鶯、金鶏など。



冠稲荷神社の裏手に行くと、竹林などもあります。順路のところに、「塚山竹林」西通りと書かれていたところです。

竹林に祠がありました。昔は、建物が建っていたのかな。



裏手に行ったら、左側に白狐社がありました。

白狐がたくさん奉納されているので、すぐにわかります。



白狐を奉納するための場所だけでなく、参拝できるように白狐社がありました。

ここでお賽銭箱にお賽銭をいれて、鈴を鳴らして参拝もできます。

そもそもは、白狐を納める場所になります。ずらりと白狐が並んでいました。

 


もう少し奥に進んでいくと、琴平社です。

金運と五穀豊穣の神です。毎月10日がご縁日となっています。

大物主神が祀られています。琴平山の金毘羅宮に祀られている神様の分霊です。

参拝順路は、琴平社→白狐社になっていましたね。

ここは、戌亥参道といわれる通りのようでした。

こちらは、庚申塔です。

小さな祠がたくさんありました。

 



戌亥鳥居から戌亥参道を振り返ったところです。

赤い小さめの鳥居がいくつか見えますよね。



その小さめの鳥居の下には、祠がたくさん置いてありました。

これぞ八百万の神です。



戻るような形になりますが、順路に沿っています。戌亥参道を戻りまして、次は菅原社です。

菅原社、菅原道真公をお祀りしていることからわかるように学芸の神様です。

試験合格の祈願にいいですね。

順路に書かれていたのは、菅原社の次が厳島社です。

 




弁財天様(宇賀弁才天)の厳島神社ですね。宇賀神と市杵島毘賣神が融合した宇賀弁才天です。

左右に毘沙門天と大黒天をお祀りしているそうです。三面大黒天のような毘沙門天、大黒天、弁財天の三天です。

弁財天様ですから、水がありました。「金御盥歳徳の淵」というそうです。

下を流れているのは、小川なのかな。己巳の日にここでお金を洗うと、お金が増えて金運アップだそうですよ。

 

冠稲荷神社の拝殿、真ん前にも湧き出ている水がありましたし、神社の境内は水が張り巡らされているようでした。


縁結びの桜

参拝に来た時は、義経公のご神水や手水舎の水に気を取られ、あまり花のほうに注目していなかったので、また拝殿のほうに戻りまして、お花の木を中心に見て回りました。

二手に分かれて再び、結びついた桜だそうです。

確かに、下のほうが2つに分かれているのに、また、くっついていますね。

 



千代田月夜見神社別宮の月夜見宮です。

 


 

冠稲荷神社で購入した御朱印にも木瓜の花

おみくじの結び処として回りを囲まれているのが木瓜の木でした。

ちなみに、おみくじは自分の干支のところに結びつけるようになっていましたよ。

 


群馬県指定の天然記念物は木瓜

樹齢400年の見事な木瓜の木です。

満開の頃に来たいものですよね。

3月中旬から4月初旬の木瓜の花が咲く頃には春の花祭りが行われているそうです。

冠稲荷神社は、春に訪れるのが良さそうです。3月中旬から下旬の日曜日には「冠稲荷 初午大祭」、4月1日には「健康長寿祈願祭」、4月上旬の日曜日に「実咲祭」と、3つもお祭りがあるからです。
稲荷神社ですから、初午は、欠かせませんね。

 

9月には、実がなるので秋祭り、木瓜の実収穫祭が行われているそうです。

 



2月の時点では少数のみが開花しているだけでした。

満開の頃でしたら、さぞかしきれいなことでしょう。しかし、その頃だと人が多すぎで御朱印をいただくのも一苦労になりそうです。

 

木瓜の木の戌亥の方角に、実咲社が置かれています。

9月の木瓜の実収穫祭には、巫女さんが作った「木瓜ノ実守り」が限定で授与されるそうです。

私は今まで知らなかったのですが、木瓜の実はジャムにしている人もいるそうです。

 

ここの木瓜の木とは別に、赤ちゃん木瓜の木という場所があります。

そこはまだ低い木の木瓜の木があり、赤ちゃん木瓜ということで、安産祈願の場所になっていました。

赤ちゃん木瓜のまわりには、十二支が書かれた石がありまして、自分の産まれた歳のところをなでることで、安産祈願になるそうです。

 

下の写真が、これまで見てきた境内の図になります。

甲大鳥居の桜、境内の木瓜、そしてお守りや御朱印帳が売られている場所のところにある金木犀の木、これらが咲くのが見どころの時期でしょうね。

やはりメインは、木瓜でしょうか。

群馬県指定の天然記念物でもありますから。

 



帰る時に、もう一度、大鳥居のところにあった猿田毘古社をみてみました。

じっくり見ると、交通安全祈願ということがわかるような感じでした。

おそらく車やバイクの交通安全祈願も行っているのでしょう。

大鳥居から出て、東鳥居のほうに行ってみました。
すると、立派な建物があって、結婚式会場かと思ってしまいました。

こちらは、ティアラグリーンパレス迎賓館となっていて、ここでスイーツを食べて休憩できるようになっていました。

お土産も売っているそうです。

私たちのツアーでは、残念ながら時間がないということで、立ち寄りしていないので、中がどのようになっているのかは、確認していません。

冠稲荷神社は、見どころ満載の神社なので、みなさん、ここで休憩するよりは、境内の見学に忙しかったです。

私も、もう少し古墳の場所や、聖天宮を見ておけばよかったなと思いました。

ツアーだと連れて行ってくれて楽ちんなのだけど、見学の時間制限がありますからね。