ずっと下書きのままにしていた所沢の神明社について書きたいと思います。

見るべき場所がこれほどまである神社だとは思いもよらず、あれも書きたい、これも書きたいと思っているうちに、半年の下書きのままにしていました。

そのような前置きは別にして、所沢の七夕祭りには、ぜひ一度は行ってみてほしいなと思ったのです。

神社と地域の人とのつながりを大事にしている神社だと感じました。

多くの神社が地域の人とのつながりよりも、神聖な場所を重視します。しかし、ここ所沢神明社は地域に開かれた神社だと感じました。

 

七夕祭りの当日に、神社の拝殿に参拝することができたのです。さらに、巫女さんの舞いも見ることができました。ご祈祷を依頼しているのなら、ともかく、お参りに行っただけなのに、です。

 

 

所沢神明社のご利益は家内安全、厄除、商売繁盛

所沢神明社の本殿を裏から撮りました。夕方にかけて行ったので少し暗いですね。歴史を感じる本殿であることがわかりますでしょうか。

 

所沢神明社は、関東のお伊勢さんと言われるそうなのですが、私はお伊勢参りをしたことがありますが、伊勢神宮は独特の近寄りがたい雰囲気があります。

それに比べて、こちらの所沢神明社は、先ほどから何度も書いているように、地域に開かれた神社です。

所沢航空公園駅からも近いためか、飛行機の灯籠もあったりしました。

そういえば、車で行く予定の人は、ナビに「所沢市宮本町1-2-6」と入れるといいそうです。

航空公園の公園とは駅をはさんで反対側で、車だと探しにくいみたいですから。

航空公園駅が一番近いのですが、所沢駅からも歩いて行ける範囲です。

 

日本で一番早い時期に行われる熊手市

なにわともあれ、まずは、参拝しました。

拝殿からみると中には大きな熊手が見えまして、もしかしたら、酉の市もやっているのかなと思いました。

調べてみると、なんと元旦に行われる熊手市なのですって。

元旦というからには、元日の朝ですよ。午前0時から早朝まで、とのことです。

これほど早い時期の熊手市は無いですよね。

埼玉は熊手市というか、酉の市を12月に行う神社が多いのですが、1月ですよ。元旦ですよ。

もちろん、初詣の参拝もあることでしょう。

その脇で、熊手市をやっているそうです。

 

七夕祭りは8月7日の15時からで七夕祈願は17時45分からでした

七夕祭にそなえて、巫女さんと打ち合わせしながら予行練習をやっているのかな。

七夕祭は、その前からやっているようでしたが、午後3時以降からが本番のようでした。

集まってくる人も夕方からが多かったです。

祈願祭自体は、17時45分から18時30分まででした。

 

建物をみても歴史を感じますよね。

子どもを対象にして、巫女さんを体験できるという時間帯もあったようでした。

七夕祭りは巫女さん体験コーナーだけでなく、組紐作りのコーナーもあったので、私はそちらに参加しました。

地域の人が出すお店、模擬店もいっぱいありました。

コーヒーやひょうたんの灯籠を売るお店もありました。

出店するお店を目的に来る人もいることでしょう。

 

蛇に見える石があった

 

拝殿向かって左側の祓戸のところに、石がありました。

丸い磨かられたような感じがする石なのですが、そこに蛇に見えるような模様があったのです。

 

どうでしょう。私は白蛇様に見えるのですが。。。

自然な石にしては、ツルツルで、窪みもあります。

白蛇の頭のように見えるのですが、所沢神明社に行ってみたら、ぜひ、確認してみてください。

 

私には、白蛇の石に見えるのです。

 

所沢神明社は所沢の産土神

拝殿の横には、このようなものがありました。

何に使うのかしら。

所沢神明社は所沢の総鎮守です。日本武尊(ヤマトタケルノミコト)がこの地で天照大神に祈り、土地の民が大神を祀り始めたのが起源です。

「神明さま」として地域に親しまれています。

それにしても末社というのか。境内社も多いです。

 

八雲神社、天神社、琴平神社、水天宮、大国主神社、煩宇斯神社、瘡守稲荷社など。

 

手前の3社は、病気平癒の神々です。

瘡守稲荷社は、倉稲魂命の御祭神にしていますが、疱瘡を病み、倉稲魂命に平癒を祈ったところ霊験があったということです。

大国主命は言わずとしれた出雲大社の神様です。因幡の白兎でもわかるように、医療の神様でもあります。

煩宇斯神社は、黄泉の国から戻った伊邪那岐命が禊をするために脱ぎ捨てられた御衣から化生された神に坐す。

「わづらい」という状態の鎮静を乞うために「わづらい」そのものを神格化して祀っているそうです。

その先の4社はよく見かける神社です。

八雲神社は、素戔嗚命(スサノオミコト)を祀ります。所沢で疫病が流行した際、薬王寺の和尚が鎮静を素戔嗚命に祈ったら霊験があったとのことでお祀りされています。

天神社は菅原道真公ですし、琴平神社は金刀比羅宮の大物主命を祀っています、水天宮は安徳天皇です。

水天は仏教の天部の神さまで、水からの連想で神さまと習合しました。みまくり(水配り)の発音がみこもり(御子守り)に通じるということから子育ての神、授子宝、安産の神様になりました。

 

その先には、稲荷社もありました。

こちらは摂社ですね。

3月に初午をやる稲荷神社ですね。御祭神は、豊受姫命神です。

野老稲荷社です。

なぜか、そばには、ミニ鳥居もありました。

 

御朱印をいただいたら、鳥船神社で折り鶴祈願を

 

境内には鳥船神社もありまして、そこには折り紙で鶴を作って掲げる場所もありました。

折り鶴祈願ができる神社としても知られているようでした。

航空神社とも書かれていますね。

別名が、所沢航空神社です。例祭が4月5日で、その日は日本初の動力飛行の日なのです。

所沢の地に初の飛行場が造られ、徳川好敏大尉による初飛行が明治44年で、それを記念した百年の時に創建された神社だそうです。

願を込めた折り鶴、紙飛行機でもいいと書いてありました。

八百万の神々が鳥船に乗って降臨される神社、そして、人々の願いを鳥船に乗せて高天原にお伝えしてくだされる神様です。

 

日本の航空発祥の地の守り神です。

渡航安全、旅行安全のご利益ありなのです。

さすが、航空公園が近いだけあります。

七夕猫の招き猫が気になりますが、このような折り紙が社務所にあります。

この紙に願い事を書きまして、それから折ります。

御朱印をいただいたら、この紙を渡されまして、神社のところに奉納できるようになっていました。

御朱印の挟み紙にこの鳥船神社の祈願紙のことが書いてありました。

鳥船神社の御祭神、天鳥船紙は天上と地上を往来する神様だそうです。

折り紙というか、祈願紙に願い事などを書いてから、折り鶴を追って、鳥船神社の奉納所に掛けてくださいとなっていました。

 

この紙を鶴におりますが、折り紙が苦手な人は、そのまま奉納してもいいようになっていますので、ご安心を。

挟み紙にも、鳥船神社手前の納箱の中に納めてよいとのことが書いてありましたよ。

ちなみに、御朱印は神明社とこの鳥船神社のものがあって、鳥船神社には飛行機の印があります。

後で知ったのですが、季節ごとその飛行機の印が違っているのです。

 

お守りの他に直日のお砂もあり

直日のお力をいただいた御砂です。

邪気を清める力があるそうなので、玄関、トイレ、寝室、病室、さらには車にも置けます。

玄関はいいですよね。

直日とは、物事を清浄な状態にする、戻す力のことだそうです。

この場合は、「なおび」と読むのですね(他にも読み方があります)。

他に、お守りには渡航安全のお守りもありました。身上安全や交通安全のお守りもありました。

安全系に強いのかしら。

 

歯固めの石もありましたよ。

船橋の意富比神社でも見ました。

赤ちゃんの百日祝いのお食い初めに使います。丈夫な歯が生えてきますようにと願いを込めます。

この歯固めの石は氏神様のところでいただくのですね。

箸で口元にもっていって食べる真似をするだけですが、食べ物に困らないようにという親の願いを込めてこの儀式をするご家庭もあります。

水みくじもありました。

 

本当に、所沢神明社は、見ていて飽きない神社です。

みどころ多しです。

 

七夕祭と書かれた紙製の灯籠らしきものもあります。8月7日という月遅れの七夕祭りです。

これらを見ても歴史の長さを感じますよね。

 

七夕祈願祭

拝殿に上がれて行いました。

参列自由と書いてあったのですが、本当に自由に参加できて、びっくりしました。

学業成就や縁結び祈願など願いごとを短冊に書いておきます。

神前で祈願した後に、笹竹にかけて奉納します。

 

先ほど、拝殿から見た時の熊手が間近でみることができました。

笹竹に奉納する前には、巫女さんの豊栄舞の奉納がありました。

それもみることができたのです。

 

これが祈願の時に奉納する笹です。

榊のようにして扱います。

笹を榊のように奉納した後には、短冊を笹にむすびつけました。

 

ご祈祷では、いつもの拝殿よりも中に入れるので、ぐっとそばまで行くことができました。

こんなに大サービスを受けることは神社で無かったので、感激しました。

 

午後5時までは七夕奉納コンサートとして、所沢に縁があるミュージシャンによるコンサートも行われていました。

模擬店もいっぱいです。

ナイトマーケットとして、「宵の市」なのです。こちらは、夜9時ころまで行われています。

夜7時からは神楽殿で雅樂の演奏会が行われました。

 

私は3時過ぎくらいから居たので、これを見たら帰ってしまったのですが、夜8時からは巫女さんの浦安舞も見れたそうですよ。

あまりにも盛りだくさんなので、巫女さんの舞を見る前に疲れてしまったくらいです。

これほど見るべきところや色々やっているからこそ、一度は、七夕祭りに行ってみてほしいなと思うのです。

 

表参道から入ると蔵殿神社があってその奥に人形殿

拝殿前からずっと下っていきますと、そちらが表参道になっています。

一番下の鳥居のから上がっていきますと、右手に蔵殿神社があります。社務所の裏側にあたります。

その右手にさらに下っていきますと、人形供養をしている人形殿があります。

6月には人形供養も行う

お子さんが小さい頃から一緒に遊んできた人形を供養できる人形殿です。

6月第一日曜日には、人形供養を行います。

その日までに、所沢神明社には人形が続々と集まってくるそうです。

そもそもは、人形の町として、所沢人形協会のお焚き上げの行事だったそうです。

その地、その地で、いろんな業界のそれにまつわる供養祭がありますが、所沢では人形供養だったのですね。

 

集まってきた人形は、この人形殿に奉斎されます。ここで月次供養祭を行って、人形の御霊を「あがもの」に遷霊するそうです。

その「あがもの」を6月の人形供養でお焚き上げするそうです。

この写真ではわかりにくいのですが、たくさんの人形がありました。

特に、私が行ったのがナイトマーケットが行われている時間帯ですから、暗くてちょっと怖かったです。

日本では、人形を単なるおもちゃ、モノとして扱うのではなく、モノとして捨てるには抵抗感があるのですよね。

それでこのようなお焚き上げ行事もあるのかなと思った次第です。

 

さて、暗くなってからはあまり参拝をおすすめできないのですが、人形殿の裏手にも末社があります。

 

人形殿の裏には、裏山のようになっていて、一番左が戸隠神社、その右手に阿夫利神社、雷電社、五龍神社があります。

なかなか、神社に夜の参拝はすることがないでしょうから、いい経験になりますけどね。

こちらの所沢神明社では、七夕祭りや人形供養祭だけでなく、節分祭りのほか、春には中祭り、秋には例大祭があります。

山車の安全祈願祭もあるそうです。

冬至祭りからは、お守りや御札のお焚き上げの準備になるそうです。

竈の神様の荒神様を迎える準備をする「おかまじめ」もあるそうです。火事がないように、食べるものに困らないように台所に神様をお祀りしているご家庭では知っていることでしょう。

もちろん、夏越の大祓、年越しの大祓も行っていますから、行事もしっかり行っている神社です。

 

やはり神社を身近に感じてもらうには、七夕祭や秋の例大祭でしょうね。