社殿が聖神社に行ったとか、神仏分離で今宮坊と分離した(現在は観音堂として)とか、興味深い神社だったのが、こちらの秩父今宮神社です。
秩父に行ったら、必ず参拝しようと思っていたところ、ちょっと調べてみたら一粒万倍日の日限定で、金文字で御朱印をいただけることを知りました。
今は、特別御朱印とか人気ですからね。
その後、御朱印帳もお正月限定のものがあるのだと聞きまして、お正月のうちに行ってみようと思った次第です。
その少し前にも朝日新聞の埼玉版で秩父神社と秩父今宮神社が取り上げられていたのも行ってみようと思ったきっかけでした。
実際に行ってみましたら、けっこう見どころが多い神社でした。
秩父神社も彫刻が見どころ満載なのですが、こちらも秩父に行ったら外せない神社ですね。
きれいな社殿だけでなく、龍上観音、弁財天、稲荷社、細石、龍神木、馬頭観音、清流の滝、役行者堂もあります。
それとチェックしたいのが、玉垣ですね。これは後で書きます。
目次
今宮神社と八大龍王宮と書かれた社碑
今宮神社の名前とともあるのが、八大龍王宮の名前です。八大龍王は仏教のお寺でなら、みたことがあります。
そこでは仏教を守る神様とのことでしたが、調べて見ると水の神様として信仰を集めているそうですね。
大宮山八大龍王宮という碑に書かれた名前からも神仏習合の名残りが色濃く残っているようです。
さて、境内には多くの見どころを抱える秩父今宮神社です。
社殿も聖神社に渡したとかで、現在は真新しい社殿になっています。とてもきれいです。
なお聖神社については、以前参拝しているので、こちらに記事を書いてます。
今宮神社は、以前は今宮坊で、神仏分離で秩父札所14番になっている今宮坊と分離したようです。
龍神池と龍上観音、龍神観音を最初に見る
この龍神池は秩父最古の池だそうですよ。
こんこんと水が湧いている龍神池です。
今宮神社では、毎年4月4日に「水分祭」が開かれ、秩父神社の神官や伶人、神部などが今宮神社に来て、水乞いの神事が行われるそうです。この伏流水の御神徳が秩父神社に授与され、この日秩父神社では今宮神社の水幣で御田植祭が斎行されます。
この御神水をお山に返す(武甲山)お祭りが12月3日のあの有名な秩父の夜祭、例大祭であると伝えられているのです。
観音菩薩が「富貴吉祥」のシンボルである龍神に乗って、人々を救いに来るお姿のことを「龍神観音」と呼ぶそうです。
救いを求める相手によって様々な姿に変えて、慈悲と智慧で人々の苦しみを取り除く、さらには、幸運をもたらすという観音様。
厄除け、開運の力を持っているのです。
流れる水が人々の煩悩を洗い流し、希望と御利益をもたらすというのです。
最初から観音菩薩に参拝ですね。
観音菩薩ですから、神仏習合が名残が色濃く残っているようです(現在は、今宮坊がお寺として観音堂が秩父札所めぐりの14番になっている)。
八大龍王宮とも名乗っていることでもあります。
なんでも龍神が祀られるには、3つの条件があるそうです。
1つは、霊山があること(秩父なら武甲山)。
2つ目は、近くに岩洞、または樹洞があること(洞があること)。
今宮神社の場合は、樹洞です。
3つ目は、湧き水のあることです。
龍ですからね。水が必要不可欠です。
今宮神社では龍神池です。
さらには、男の神様と女の神様も必要なのだそうで、今宮神社の場合はイザナギ、イザナミの神様です。
その条件を満たしていたので、八大龍王のような神格の高い龍神をお祀りできたのです。
新年数量「限定御朱印帳」も金色の龍だったので購入
6種類ある御朱印の番号でいうと「3」の御朱印となる、お姿の御朱印が一粒万倍日だけは金文字になります。
だから、一粒万倍日に行きますと、得した気分になります。一粒万倍日は、「お姿」の御朱印をいただきましょう。
人気があるからか、カレンダーには、一粒万倍日の日に丸印がついていました。
最近は、宝くじ売り場にも「本日は一粒万倍日」の看板が立っていますよね。
2020年の一粒万倍日は何月何日かについては、このページに書いておきました。
私は、お正月限定の「金色」の御朱印帳も購入したので、「金」色だらけになりました。
限定御朱印帳は、1,700円でした。
御朱印の種類は、現在は、6種類ありました。一体が500円です。
私が御朱印をいただくときに、以前に付近に住んでいたと思われる方が訪ねてきていて、久しぶりだと境内が随分変わってしまったと話をしていました。
私もここに参拝する前にみたブログは、以前のものだったようで、その時の境内の様子とはまったく違っていました(その当時は、けっこう木々が多い印象の神社でした)。
ついつい社務所に目が行ってしまいますが、まずは社殿にて参拝を済ませます。
真新しい社殿です。目の前にはこれまた、真新しい赤い鳥居です。
平成31年2月竣工ですから、本当に真新しいです。
ちょうどご祈祷を行っている時に参拝することができました。お正月はご祈祷を頼む人も多そうです。
こちらの秩父今宮神社では現在は、天満宮というのか、天神様の再建を目指しているようでした。真新しい社殿ができたら、次は天神様ですね。
御神水の清龍の滝は平成の名水百選にもなっている武甲山の伏流水
清龍の水の後ろには、馬頭観音の姿もみえます。
馬が頭の上に乗っている三面の観音菩薩です。
この「御神水」は平成の名水百選にも選ばれ、武甲山の伏流水というお水です。
今宮神社の清流の滝は、今やお浄めの霊水、お金やアクセサリーを洗うことができるパワースポットです。
お金やパワーストーンを洗う時は、そばにあるザルに入れて洗います。
お水取りは、竹筒から出たお水をいただくといいでしょう。
ちなみに、秩父今宮神社の年間行事としては、4月4日の水分(みくまり)祭のほかに、同じ日に龍神祭りが行われます。
そのほか、2月3日の節分、6月7日頃に行われる役行者祭、6月30日は夏越の祓、9月28日は例大祭、12月31日は大祓式があります。
御神木の前に「お姿」の文字のような字が書かれた鳥居
こちらは、龍神木です。
しめ縄で、周りを囲うことで神聖を保っています。
古来より日本人は、自然の山や木々、岩を信仰の対象にしてきました。だからこちらの龍神木も信仰の対象だったのでしょう。ケヤキの木の前には祠も立っています。
この御神木であるケヤキの木は、埼玉県指定天然記念物です。
駒つなぎのケヤキとして昭和19年3月31日に指定されていました。
なぜ駒つなぎというかというと、江戸幕府の要職にあった武士が今宮神社(当時は今宮坊)を参詣してこのケヤキの木に馬をつないだことから呼ばれているそうです。
推定樹齢は1000年にもなる大きなケヤキです。樹高は、27.9メートル、幹周りは、7.9メートルにもなるそうですから、大きさがわかるかと。
天下る木、神の拠り代となる木として龍神様のお姿が見えたとも言われていました。
龍神を祀るには、樹洞、穴が必要です。
以前は龍王のお姿がこの龍神木に現れたと言われていたのですが、今は、ハートに見える洞が有名になっているようでした。
木の根っこのところに穴が開いているのですが、それがハートに見えるとか。
見つけた人にだけ、御利益があるのだそうですよ。
言われてみれは、ハートに見えなくもない?
細い根っこのような、木が落ちているようにも見える先に穴がありました(それ以外にも穴は多いです)。
見本の写真が社務所の裏側にあったので、それをたよりに探してみてください。
祠がある場所を時計の12時としたら、
7時くらいの場所でしょうか。
全体像から見ると、まったくわからないですよね。
さて、今まで何度も「お姿」と言っていますが、下の写真がその漢字です。龍王のお姿と一文字になっています。普通は読めませんね。
龍好きの人におすすめの御守や護符、おみくじもあり
私は、金龍がデザインされた御朱印帳だけでなく、龍の護符も購入しました。
縁起が良さそうな「昇龍」の護符です。
それだけでなく、白龍守りというのもありましたので、御守が欲しい人はこちらですね。
なかなか興味深かったのが、「三体御守」です。特別祈願三体守りと書いてありました。
龍神、観音、行者の三体です。聖観世音菩薩、生命のおおもとである八大龍王神、それに行者様の御神徳を合わせた御守がありました。
三種1セットになっていて、それぞれが「ぼけ封じ」だとか、「癌封じ」だとか、厄除開運、方位除け、無病息災、病気平癒、良縁成就、子宝祈願、安産祈願、学力向上、合格祈願、事業発展など願意に応じた御守になっていました。
この三体を重ねてもっていることでパワーが発揮できるのでしょう。
役尊神祠
役行者の祠が見えます。
役行者(役小角)は、古神道、仙道、道教、仏教の行学を収め、各地の霊山を開き、人の行きる道としての「修験道」の開祖と言われる人物だそうです。
不思議な験力を発揮し、神か、仏か、仙人かと言われた人物です。
701年頃、今宮の池に仏法を守る神、八大龍王を祀った人です。
八大龍王は、水を司る神様であり、秩父霊場を開いた神様でもあります。
八大龍王は神仏両方の力を合わせ持った神様として役行者によって祀られたのです。
今宮坊や今宮神社は、古くは修験道の場でもあったのでしょうか。
遠くに馬頭観音が見えますね。
弁財天の神社(今宮弁財天)や稲荷社も
龍神池の近くには、弁財天の神社もありました。
弁財天と水、池は切っても切れない関係ですからね。
こちらは、稲荷社です。
商売繁盛を祈願したい人は、参拝を忘れずに。
今宮神社では現在は、天神様をお祀りする神社を作る予定だそうです。
そういえば、玉垣に蛭子さんの名前を発見しました。
小泉今日子がどこかの神社の稲荷鳥居だかに名前があったと話題になりましたが、秩父も負けていませんよ。
蛭子さんの名前を発見です。
今宮神社と今宮坊は、神仏分離で分かれていたのですが、先々代の宮司を顕彰する啓山塔が今宮坊に建立されています。
この方は宝登山神社の宮司も兼務していたそうです。
私の夏のお祭りで行ったことが何度もある荒川の風光明媚なところを長瀞、玉淀と命名した人でもあるそうです。
今宮坊と今宮神社は神仏習合の色が残っていてますから、二所参りをする人も多いです。
八大龍王宮(今宮神社)と観音堂(今宮坊、札所14番)の二箇所をお祭りします。
私もここを出ましたら、すぐに向かったのが今宮坊です。
【その後の追加】
春には天神社も出来ていた
その後に、今宮神社を目的に行ったのではないですが、そばを通りかかったので、立ち寄ってみました。
時間は夕方でしたので、他に人がいませんでした。
そうしたら、今宮神社の境内に、撫で牛がいました。
天神様をお祀りするお社ができていました。
今宮神社の社碑のところには、桜の花もちらほらと咲いていました。